本日の記事は、乳がん部分切除手術後の放射線治療に関する情報を発信します。
「放射線治療っていくらかかるの?」
「副作用ってどんな感じ?」など
皆さんの疑問を細かく解説。乳がん、放射線治療、がん研有明病院に関する情報をお探しの方、ぜひお役立てください。
病理検査の結果(乳がん細胞写真あり)
手術の際に取り出したがん細胞は、詳しく調べるため病理検査に出されます。その結果は約1か月後に。
<注意>乳がん細胞の写真掲載あり。苦手な人は飛ばしてください!!
がん細胞単体の大きさは20×15ミリ。手術時はその周り約20ミリ幅で大きく切り取ります。
病理検査の結果は、、、
- 非浸潤がん
- リンパ節転移なし
- がんの浸潤径(大きさ)20mm以下
- ER(+)PgR(+):女性ホルモン受容体に反応するがん
- 脈管浸潤なし(リンパ節にいくまでの道、もしくは血管内のがん)
- 核異型度(がん細胞の顔つき)1(異型度低い)
- 温存手術の断端(ー)ただし、一部皮膚に近い側にがん細胞が見られた
病理検査結果は下記のような書式で渡されます。
↓ ↓ ↓ ↓
標準治療:乳房温存手術+放射線治療セット
がん研有明病院では乳房温存手術を受けた患者さんで、がんが完全に取りきれたと判断された場合、手術後の放射線治療を省略する臨床試験を示す場合があります。
私のケースもがんがしっかり取りきれたという判断から、医師より「放射線治療の省略が可能」と言われました。
ただ、標準治療として、温存手術は放射線治療とセットで行うことが一般的と書籍で学んでいました。リスクは取らず、放射線治療を受ける決断をしました。
乳がんについて勉強・情報収集のために購入した1冊です。医師用の診療ガイドラインを基に患者さん用に制作された信頼できる本です。
↓ ↓ ↓ ↓
放射線治療を受ける理由は3つ。
- 世界標準治療だから
- 再発のリスクを少しでも減らしたいから
- 万が一再発したとき、放射線治療を受けなかったことを後悔をしたくないから
放射線治療準備:治療計画用CT撮影を行う
- 放射線治療を開始する前に、まず治療用CT撮影を行います。
- 治療時の姿勢を決め、CT撮影・体にインクで印をつけます。
治療に必要な大切な印。消えないように注意を払いましょう。
- 体を洗う時はこすらず、優しく洗う
- 印が薄くなったときは、油性マジックで書き足す
自分で印をつけることは困難。家族に書いてもらいます。
CT撮影から最初の治療開始まで1週間あり、印が薄くなりました。家族に1度書いてもらった経験があります。
ただし、治療が開始されると平日毎日の通院となります。週末前には技師さんの方で印を書き足すので、自分で修正することはありませんでした。
放射線治療の流れについて解説
5月13日~6月9日まで計20回、平日毎日通院で治療が行われました。
外来の放射線治療の流れは下記のとおり。順調であれば、30分以内で終了。(リニアック室1番、受付60番のケース)
- 1階自動再来受付機で受付を済ませ、エレベーターで地下1階へ移動
- 放射線治療部の自動受付機に診察券を通し、受付表を取る
- 入り口近くの看護師カウンターに立ち寄り、体調チェック
- 待合室ソファーで待つ。前方TVはいつもNHKが流れていました
- 電子掲示板に番号が呼ばれたら、検査着を取り、更衣室へ
- 更衣室前で技師がお出迎え。患者確認あり
- 検査着に着替える。上半身はだか、下半身下着・靴下。サンダルへ履き替え
- 技師が呼びに来るまで更衣室内で待機。カギをかけ、リニアック室へ移動
- ベッドに仰向けに横たわり、指示通り姿勢を調整
- 両腕頭上にあげ、姿勢を固定。動かない
- 機械が患者の周りを動き、照射(ビーっと小さな音)
- 熱くもなく、何も感じない
- 照射時間は数分。あっという間に終了
- 更衣室へ戻り、着替えをし、1階自動会計機で清算
- 終了、帰宅
放射線の副作用について
放射線治療を受けている部位の正常組織も放射線の影響が出ます。よく見られる副作用として(病院資料参考)、
- 皮膚炎:放射線治療開始後2~4週間経つと日焼けのように皮膚が赤くなります。かゆくなったり、ジクジクする場合もあるので、きつめのブラ、ワイヤー入りブラは避けましょう。また、皮膚への刺激を避けることが大切。照射している皮膚に絆創膏を貼ったり、石鹸を付けてゴシゴシ擦すらないように。皮膚の炎症は治療が終了し数週間経つと軽快します。皮膚に色素沈着が残りますが、半年間に徐々に薄くなります。炎症を防ぐため温泉、日光浴を避けましょう。また、照射した皮膚は汗もかかなくなり、乾燥します。乳輪などの皮膚の色が薄くなる場合もあります。
- 乳腺への影響:乳房全体が少し腫れ(浮腫)、こわばったり、熱をもったり、内部が軽くチクチクと痛くなる場合があります。乳房のこわばりは通常2~数年の経過で柔らかくなります。
- 腕や腋の不快感:リンパ節の摘出術を受けた場合、まれに腋から上腕への軽い痛みや不快を感じる場合があります。治療後数か月程度で軽快。
- 眠気・疲労感と倦怠感:治療後30分程度で眠くなったり、疲れやすくなります。車の運転に注意。
私が経験した副作用は、
- 照射乳房の皮膚の変色:日焼けしたように黒く変化
- 乳輪の色落ち:最初は黒ずみ、その後色落ち
- チクチク感:数秒だが、チクチクと違和感が突然現れる
- ヒリヒリ感:照射回数を重ねるほど、ヒリヒリ感増す
- 皮膚の乾燥:汗をかけない、かゆみ
- 眠気・疲労感:照射後顕著にでる
対処方法は、
- ステロイド剤が処方され、毎日塗布。皮膚のチクチク、ヒリヒリ感の緩和
- 放射線治療開始1日目から保湿剤を毎日塗布。治療終了した今でも照射した胸の乾燥とかゆみが悩み。保湿剤が手放せない。
- 照射後の倦怠感・眠気が強く、十分な睡眠、バランスのとれた食事を摂取
- 家事は通院前に済ませ、帰宅後は休養できるよう工夫
毎日愛用している保湿剤を紹介します。病院から勧められたSilty(シルティ)です。べたつきがなく、でもしっかり保湿ができる優れもの。よく伸び刺激も少ないので、ヒリヒリ炎症している皮膚でも使用可能。
近所のドラッグストアや大型ホームセンターでも探したのですが、販売していませんでした。がん研有明病院で販売されていますが、アマゾンでも購入できます。
胸のチクチク感やヒリヒリ感は時間の経過とともに軽快。しかし、照射した肌の乾燥・かゆみが今でも続いています。余裕をもって多めに購入することをおススメします。
放射線治療費(計20回):約13万円
領収証を計算したところ、病院に支払った放射線治療費は、
- 費用:128,708円
- 照射回数:胸全体16回+部分4回=合計20回
そのほかに定期代、処方薬、保湿剤代などかかりました。
本日のまとめ
20回の放射線治療を無事終え、今に至っています。
治療が終わっても胸のケアは毎日欠かせません。照射した側の胸が汗をかくことができず、常に乾燥した状態。Silty(シルティ)保湿剤を毎日塗布しています。
乳がんに関しては、10年フォローアップが一般的です。10年間毎年1回がん研有明病院で診察をします。
がん患者は、再発・転移が常に心配。私自身も乳がんを機に、健康に関連する書籍を読み漁り情報収集に努めています。
その中で納得のいく信頼できる情報を基に、今実践している健康法を次の記事で紹介したいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。合掌