2021年10月にがんの疑いを指摘されてから早4か月。
本日の記事は、がん研有明病院での3泊4日の乳房温存手術について解説します。入院準備から、病室・食事・手術の様子・乳がん治療費総額など経験者が語る貴重な情報が満載。
乳がん情報をお探しの方必見です!
荷物はできる限り少量で、コンパクトに!
乳がん手術は胸部に負担をかけたくありません。
かばんはリュックではなく、コロコロ引っ張る小さいスーツケースを選びました。腕で引っ張るので、胸への負担ゼロです。
荷物はできる限りコンパクトにするのが重要。3泊4日の入院荷物全部、この小さなスーツケースに収めることができました。
荷物を小さくまとめるコツ
- 入院・退院の服装は同じ
- タオル・患者衣(パジャマ)はレンタル
入院の準備について詳しく知りたい方は、下記記事もあわせてお読みください。
9階東病棟4人部屋(窓側)での入院
週末入院のため、病院裏側の夜間連絡口からの入館でした。入院患者専用の窓口がエレベーター前に設けられ、まずそちらで手続き。
夫は病室がある9階病棟のエレベーター出口まで付添が許可されました。エレベーター前にはガラスのドアがあり、常時施錠されています。夫とドア前で別れを告げ、私一人病棟へ入っていきました。
病棟に入ると目の前のラウンジに通され、看護師さんから入院に関する書類が渡されました。ラウンジで記入しながら15分程時間が経過。
その後、体重測定、端末でアンケート(体の状態)回答後、いよいよ部屋に通されることに。
部屋は、第一希望の4人部屋窓側でした。(追加料金約5,000円/泊)窓側の部屋ですと、有料の冷蔵庫が無料で利用できます。
病棟は無料Wifiが完備。入院患者さんは無料でネットにつなぐことができます。
私は、アマゾンプライムで映画鑑賞をしたり、Kindle Whitepaperで読書など、時間を有効活用。入院生活が少しでも楽しくなるよう、自分なりに工夫しましょう。
主婦にとって入院生活は自分だけの時間。家事もゼロ。プラス思考で乗り切りましょう。
入院当日のスケジュール
入院当日のおおまかなスケジュールは、以下の通り。
- 病棟ラウンジ内で書類が渡され、必要事項記入
- 部屋に通されスーツケースから荷物出し
- 昼食をとる
- ビデオ視聴、オリエンテーションなど行う
- 夕食(21時以降絶食。飲水のみOK)
- シャワーを浴びる
- 明日の手術に備え、しっかり睡眠
入院の食事について
入院当日の昼・夕は普通食が提供されます。翌日の手術に備え、21時以降は飲食ができません。水分のみOK。
食事は、「ザ・病院食」
普段より塩分控えめなので、塩味に関しては問題なし。
ただ、品数が少なく物足りない。もっと色とりどり、目からでも食事が楽しめたらと思いました。
ラウンジにはペットボトルの自販機やお茶、お水が注げる給水機が設置されています。熱湯が出る給湯器が備わっているので、ご自身でコーヒーや紅茶を入れることもできます。私は普段飲んでいるコーヒースティックや紅茶など持っていき、入院生活を楽しみました。
その他入院スケジュールについて
- 病棟案内ツアーが行われました。ラウンジ、シャワールーム、給湯器などの設備について説明。
- 13:30から病棟内オリエンテーションがあり、カンファレンスルームへ集合。術後に使用するブラの見本が置いてありました。私は既に授乳用ブラを用意していたので、ここはスルー。患者さん3名で参加しました。
- 入院当日はシャワー浴が可能。予約ボードが設置されているので、希望の時間帯を予約します。
- 手術時に使用するペーパーパンツ、T字帯の確認がありました。病棟内5階売店もしくは1階ファミリーマートで購入できますので、事前に準備しておきましょう。
- 病室のTVで、転倒予防・床ずれ予防のビデオを視聴。(ビデオ視聴が必要なので、TVに接続できるイヤフォンを用意しましょう)
入院2日目:手術当日のスケジュール
手術当日の流れは、下記のとおりです。
- 朝6時起床、洗顔(化粧水のみ)
- 手術開始3時間前までにOS-1,アルジネートウォーター計6本を飲む
- 手術開始1時間前までに歯磨き、手術着へ着替え
- 貴重品はセイフティーボックスへ入れ、施錠
- カギは付添人へ渡す(手術室へ行く途中家族に会えます)
詳しく解説をしますと、下記のとおりです。
- 朝6時起床。洗顔後は化粧水のみ。クリームなどべたつくものは禁止。手術時顔に貼る医療用テープの妨げになるためです。
- 15:00手術開始予定でしたので、12時まで飲水可能。OS-1 3本、アルジネートウォーター3本を時間配分しながら飲み干しました。前日の夜から絶食。
- 手術開始1時間前までに歯磨き、手術着への着替えを済ませます。食事はしていませんが、口腔衛生は大切。時間をかけて丁寧に歯磨きをします。
- 手術着に着替えます。上半身はだか、下はペーパーパンツ着用。T字帯、授乳用ブラを卓上に置いて準備。腕時計、貴金属類、コンタクトレンズなど外せるもの全て外します。
- 貴重品はセイフティーボックスへ入れ、施錠。カギは手術前家族に会える機会があるので、その時渡します。
いざ手術室へ!
予定より30分遅れの15:30に呼び出しがかかり、手術室へ移動。看護師さんと一緒にエレベーターで手術室のある3階へ。心臓がバクバク高鳴ります。この移動途中に付添人に会うことができ、カギを渡します。
長い廊下には左右たくさんの手術室があり、2、3回本人確認を済ませた後、自分の手術室へ入室。
手術室へ入ると、心地よいクラシック音楽が流れていることにびっくり。緊張感に包まれた無機質な手術室。その中で優しく流れる音楽。
「不思議な空間」でした。
主治医、麻酔科医、看護師さん3人が笑顔でお出迎え。中央に設置されている手術台へ上がるように言われ、横たわります。
姿勢は十字架のように両腕を横に広げ、心電図、オキシメーター、酸素マスクが取り付けられます。
手術台に横になって10分程経過したころでしょうか、
「もうすぐ眠くなりますよ」と、麻酔科医に声を掛けられ、その直後、突然脳に雲がモクモクと湧き出はじめる不思議な感覚。そこで記憶はストップ。
手術終了。夕方病室に戻ってくる
気づいたら手術は終わっており、病室の天井を仰いでいました。病室にどのように戻ってきたか、記憶がありません。
口元は酸素マスク、足は血栓予防のためのマッサージ機が取り付けられます。看護師さんが時々胸の傷口確認のため、チェックにきます。
麻酔がきいているので、痛みはほぼありません。体を動かす際に少し痛みを感じる程度。痛みスケールで言うと、10段階中2~3くらい。我慢できる範囲です。
点滴、尿管、ドレーンなど管が体につながっていて姿勢に制限があるものの、その夜ゆっくり休むことができました。
入院3日目:術後1日目スケジュール
手術翌日、この日の朝から歩行可能です。
最初の歩行時には看護師さんが付添ます。この時はまだ尿管が取り付けられていて、持ち歩きながらの歩行。歩行完了後は、無事尿管が取り外されました。
体は動かした方が回復も早いので、病棟内をぐるぐる回ってウォーキング。体液を外に出すためのドレーン管をたすき掛けながらのウォーキング。大きな窓から有明の景色を堪能しながらの歩行です。病棟内では患者さんたちがウォーキングしています。
体調も良かったので、術後1日目からリハビリ開始。患部のツッパリ感はあるものの、想像以上に腕が動いてびっくり。
食事は、術後1日目から普通食が提供されます。
入院の楽しみと言えば、食事、アマゾンプライムでの映画鑑賞とKindle Paperwhiteでの読書。病室に閉じこもってばかりも気が伏せてしまうので、ラウンジで読書や視聴したりしていました。
この日の夕方、医師より翌日(術後2日目)に退院できると告げられました。驚きです。全摘ですと、術後1週間くらいの入院は必要ですが、私の場合部分切除だったので早く退院となりました。
ドレーンから排出される体液も少なく、術後1日目の夕方外すことができました。
入院4日目:術後2日目で退院!
この日は天皇誕生日の祝日。
退院処方薬(痛み止め)、次回外来スケジュール表などを受け取り、午前中に退院できました。祝日退院だったので、お会計は次の外来時に持ち越し。
帰宅後、入院時の洗濯を行うほど体力もありました。リハビリ兼ねての洗濯物干しです。ツッパリ感はありますが、1人でできました。
家事は休憩を入れながら、負担をかけすぎない程度にゆっくり行いました。
術後2日目よりシャワーが可能です。首元(鎖骨)までお湯をあてることができます。よく泡立てた手で胸元、わきの下を優しく洗います。傷口は防水加工の医療用テープが貼られ、保護されています。
気になる胸の状態ですが、かなり腫れます。手術後のブラは通常より1サイズ大きいものを購入しましょう。胸は腫れて熱っぽさもあります。肌がとてもデリケートになっていますので、肌に優しい素材のものを選びましょう。
乳がん治療費合計:約30万円!
がん治療にどのくらい金額がかかるのか?手術内容・治療によって金額は異なりますので、目安としてご参照ください。
まず最初に、私が受けた治療内容は下記のとおりです。
- 病院:がん研有明病院
- 病名:非浸潤性乳管がん
- ステージ0
- 手術方法:乳房温存手術、リンパ節郭清手術なし
- 放射線治療:胸全体照射16回+部分照射4回 計20回
がん研有明病院の領収書で計算。診療科ごとに計算、金額は下記のとおりです。
乳腺外科への総額: 142,163円
放射線治療科への総額:128,708円
合計: 270,871円
入院費用(手術代込)107,683円も上記金額に含まれています。
その他にレンタル代(患者衣・タオルセット4日分)が別途2,112円かかりました。
乳がん治療費(乳房温存手術+放射線治療20回)に総額約30万円ほどかかりました。事前に「限度額適用認定証」を事前に申請していたので、窓口での金額がこの程度で済みました。
退院後の生活のようす
退院1週間後に外来があり、胸の状態を診察します。
この日傷口に貼ってあった透明テープが外されました。傷口の跡がきれいに回復するために、テープ療法を開始。病院1階のファミリーマートで専用テープを購入し、教えてもらった貼り方で傷口をカバーします。
この頃よりお休みしていたジムも再開し、体力回復に努めました。肩回り、胸周りのストレッチ、トレッドミルで20~30分程度のウォーキング、自重スクワットなどがこの頃のメニューです。疲れすぎないように、体調と相談しながら。
5月から放射線治療開始予定があったので、腕の可動域を戻す必要があります。放射線治療の際に、両腕を上にあげるので、可動域に制限があると放射線治療に支障をきたす恐れがあります。
本日のまとめ
3泊4日の乳房温存手術が無事終了。
退院後は、次の放射線治療に向けて準備です。腕の可動域を元に戻す必要があります。疲れすぎない程度に、リハビリを行いましょう。
次回の記事は、がん研有明病院での放射線治療について解説します。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。